フランス語は英語より美しい(スペースが最高)

フランス語は英語より美しい(スペースが最高)どうでもいいことを書く。

フランスに来て3週間余りが経って、まあ何とかやっているわけですが、日々の暮らしについて紹介する前に、僕にとってはどうでもよくないけれど、おそらくどうでもいいことを書きます。フランス語についてです。

僕はかねてより、何というか不必要に几帳面といいますか、大雑把だけれどもやたら細かいことが気になってしまう性質で、友達からウザがられるということがこれまでの人生で何度もありました。エントロピーは日々増大し、ときには部屋はカタストロフと化していたりもするのだけれど、なのにほんのちいさな細かいことが気になってしまう。困った性格です。

そのなかのひとつ、昔から英語だとときどき気になっていたのだけど、どうやらフランス語だと公式の記述のスタイルがちがうようだ、ということにこちらにきてすぐに気付きました。とりあえず例文を英語とフランス語で書いてみる。

[ 英語 ] Hi! My name is immoue. I’m a typical Japanese; I miss Japanese food, especially Natto: A traditional Japanese food made from soybeans fermented. Have you ever tried it?

[ 仏語 ] Salut ! Je m’appelle immoue. Je suis un japonais typique ; La nourriture japonaise me manque tellement, en particulier Natto : un aliment japonais traditionnel à base de haricots de soja fermentés. Est-ce que vous l’avez déjà goûté ?

お分かりいただけただろうか。英語だと何もないのにも関わらず、フランス語だと感嘆符(!)や疑問符(?)、コロン(:)やセミコロン(;)の前に半角スペースが挿入されているのです。たぶん、言われなければ気付かないひともいるだろうとおもうのだけれど、僕はこういう細かいことが気になってしまう性格なのです。このような性格がどのように醸成されたのかはいまいちよくわからない。

僕自身、英語をこれまでしばらく使ってきて、ときたま英語のこの感じが気に食わなかったことがあった。スペースを全てにいれればよいのだ!と具体的に思い立ったことはなかったのだけれど、英語を書いていて何だか美しくないな…という違和感と共にいままで何とかやってきた。いや、いいんですよ。べつに僕のような英語もそこまで喋れないような人間が、もはや世界言語と化しつつある英語そのものに楯突く気はめっぽうもございません。英語は英語の君のままでいて。すくなくとも君の実力は僕も知悉している、すでに十分に世界に貢献しているよ。実際、コロンとかセミコロンとか僕は格好いいので大好きで英作文でも多用してきたりもしたんですが、ただバランス的に、何となく美しくない。“Have you ever tried it?”とか、もう美しくない…。だれかと共有したいこの引っかかり方…。

そこでフランスに来て、フランス語とそれなりに触れているのだけれど、フランス語ではどうやら例文のように、感嘆符や疑問符といったパンクチュエーションマークの前にスペースを置くらしいということがわかった。しかも、これはかなり公式というか、作文をするときにはフランス人にとってはわりと常識的ルールなよう。

こちらにきて読んだ本や雑誌などの活字が記載されている出版物は基本的にすべてそうなっている(はず)。僕がむかし使っていた日本語のフランス語教材ではなっていなかったのに!あるいはフランス人とメッセージをやり取りをしたりもしていて、あまり絶対数がまだ多くないので何とも言えないけれど、5人に3人くらいはフェイスブックのちょうフランクなやり取りのなかでも必ずスペースが入ったりしている。これはデータが更に取れ次第またご報告いたします。!

しかし何でなんだろう。疑問に思って検索を掛けてみても、フランス語だとすることはするのだけどあんまりヒットしない。やはり言うまでもないくらい常識的なことなのかもない。そこで英語で調べてみると、あらあら出てくる。ヤフー知恵袋のようなところで質問しているひとが何人かおりました。やはり英語が母国語だとそういう日本人にとっては瑣末で看過してしまうかもしれない違いに気付きやすいのかな、と思いきや「いままで気付いたことなかったよ…」って言っているひともけっこういてそうとも限らないらしい。

で、いくつかざーっと見たところ理由に関しては「わからないけれど、可読性だろう」という意見が多かった。うむ。「それは”理由”じゃなくて”慣習”でしょ。なんで英語とフランス語でちがうの?」という質問者の噛みつき方は尤もだ。もっときちんと調べればもしかしたら論文など書いているひと(!)もいるかもしれないけれど、ウーム。可読性。たしかに、そちらのほうが美しい、とすくなくとも僕は思う。もう一回見てみる。

[ 仏語 ] Salut ! Je m’appelle immoue. Je suis un japonais typique ; La nourriture japonaise me manque tellement, en particulier Natto : un aliment japonais traditionnel à base de haricots de soja fermentés. Est-ce que vous l’avez déjà goûté ?

例文がわるいかなこれ…。しかし、僕はこの美しさに興奮しますね。いい…フランス語改めて好き…。可読性もそうだけれど、僕はさいしょに観たときにこれはフランス人の美意識の現れにちがいない!と思ってやたらとたのしくなったことがある。何というか、英語圏で暮らしたことがないので適当なことは言えないのですが、街中で見掛けたりする些細なタイポグラフィもフランスは気が配られててバランスがよくて美しいな〜と日頃よくおもうのだよね。いいなあ。

いちおう日本語でも調べるか、と思って検索バーに叩いたらOKWaveがヒット。しかもベストアンサーがかなり丁寧。

OKWave : フランス語:疑問符や感嘆符について

個人的には英語のように、疑問符などの前にスペースがない方が好みです。読みにくいとも思いませんし、スペースの節約にもなります。これはひょっとしたら島国の影響もあるのかもしれませんね。仏式のスペース感はいまひとつ大陸的で、もったいなく感じます。

うーむ、この感覚、僕とちがう…。僕は「大陸的」感覚の持ち主なのでしょうか。しかし、島国⇔大陸の構図からこのような推察ができるのはもしかすると一理あるのかもしれない。ほかにも調べたところによると、16世紀くらいまでの公式書物には英語でもスペースがあった、ということがわかっていて、時間の流れのなかでスペースがなくなったのかもしれない。いつなくなったのかは不明。たとえばイギリスにおける産業革命だとか、アメリカ建国からめざましい発展、めまぐるしいスピードのなかでなくなっていったのかなとか適当なことを僕は考えてみる。いや、知らないけど。

そういえば、と思っていま思いついたのだけど、フランス語で「英語 パンクチュエーションマーク スペース」みたいに調べたらむしろザクザク出てきた。だれかがきちんとした理由を答えているのかもしれないけれど、僕は「フランス人の美意識の現れ」ということで個人的に片付けてフランスともう少しお近づきになろうかとおもうので、興味のある方は調べてみてください(ぼちぼち面倒くさくなった)。

僕はこうした感覚を他者へと発露するとときおり馬鹿にされたり白い目で見られたりと、虐げられてきたのですが、この感覚をわかっていただける方はぜひご連絡ください。共有してちいさな歓びに浸りましょう。


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6 Comments

  1. こういち

    自分は [ 仏語 ] のように半角カッコ内の文字列の前後にスペースを入れることに美しさを感じる。マシンリーダビリティと見た目の美しさの両方を備えるからね。 ( ぶっちゃけマシンリーダビリティ的には記号は無視できるんで、あまり変わらないと思うけど… )
    それと、半角カッコの外側にはスペースが無いと自分は気持ち悪いと感じてしまう人。これはもはや見た目の問題なので、全角カッコの場合は元々スペースがあるからそのままでいいけど、マシンリーダビリティ的な意味でも半角を使う場合は「半角スペース + 半角カッコ」がベストだと勝手に思っています。「カッコ」がゲシュタルト崩壊してきた。

    パンクチュエーションの前のスペースは、個人的には今の英語みたいに無いほうが好みです。前の文字とくっつけて書くことで「ここからここまでがひと纏まりですよ」っていう主張ができるから。離して書くと、前後を区切る記号として見えてしますんですよ。 | バーティカルバーみたいに。
    当然、慣れよるバイアスがあるから、逆に仏語話者にとってはこれが普通に見えるんだろうし、今の英語のほうに違和感を感じてしまうんだろうね。
    結論として、プラクティカルな意味では今の英語のほうが効率がいいんじゃないんだろうかなと思ったわけですよ。

    1. イモリ

      コメント有り難うございます。こういちちゃん、判ってくれると思っていた。僕も状況には依るが[仏語]なんて基本的に考えられないなあ。マシンリーダビリティ、ご存知なかった。
      半角カッコの件も現在進行形で大きく頷いている。ただ僕全角カッコのほうが好きだな、いまは。湾曲の具合が全角のほうが個人的に美しく感じています。当たり前だがそちらのほうが日本語と文字組と整合が取れてる。マシンリーダビリティなど難しいことはわからないけれど。

      なるほどねえ。どうなのだろう、たとえば小説なんかの会話文のあるページをバッと開いてみても、フランス語のほうがマージンが取られていて美しく感じるのよねえ。そしてより読みやすい。それはすべてパンクチュエーションマークに起因しているかと問われれば微妙ですが。慣れによるバイアスというのはおそらくその通りなのだけど、それでもある程度はユニバーサルな感覚なんじゃないの?と思ったわけです。活字なので読みやすさの追求がプラクティカルさに直結するの思うのですが、いかがでしょう?

  2. hikone masato

    Salut ! たしかにこまかいことですが,私も同感です !
    英語を書くときもスペースをおきたくなってしまいます。

    ところで「質問者の噛みつき方は最もだ」は「もっともだ」ではないでしょうか ?
    漢字なら「尤も」ですが,こんな字を使う人はあまりいませんよね。

    1. イモリ

      コメントありがとうございます。確かに、英語でもついつい置いてしまいます。調べたところ、いちおう誤用ではないようですが、確かにこの字を使う人はあまりいませんね。修正致しました。本来ならば「個人ブログなんだしこれくらい勘弁してよ…」と言うところですが、とりわけ瑣末なことを取り上げたブログ記事なので、ほかの瑣末なことも正しくあるべきかもしれませんね。

  3. なおみ

    おもしろーい!
    そんな感じ方があるんですね。

    「フランス語、勉強してみよっかな〜」となんとなく検索してみたら
    こちらのブログを発見し、思わずコメントしてしまいました。

    英語のスペースの取り方について、気にした事もなかったですが、
    自分にない美的感覚だったので、すごく刺激を受ける内容です!

    ちなみに私は、フランスに旅行したとき、町中のポスターが綺麗で「さすがだ!」と思いました。
    日本は、「文字」でも内容を伝えようとしていますが、フランスは写真で魅せる・表現するポスターだと
    感じました。そして、駅のホームのポスターが、とってもきれいにぴっちり貼られていて
    清々しさまで感じる貼り方でした。笑

    ご自分の性格、「大雑把だけどやたら細かいことにこだわってしまってうざがられる」
    と捉えていらっしゃるようですが、共鳴する人は必ずいますので、
    そういう鋭く感度の高い美意識、ぜひ大事にされてください〜。

    1. イモリ

      コメント、ありがとうございます。自ら「細かいところまでやたらと気になる性格」を「美意識」と呼ぶのにはすこし憚られますが、僕のアイデンティティの一翼を担っていることには間違いがないので、これからも大切に育ててゆく所存ではあります。他人に疎まれない程度には(笑)

      フランスのポスターは美しいですよね。日本のポスターは、情報量が多すぎて騒がしい感じがします。ひとつには、ラテン文字のアルファベットそのものが、線もすくなく造形がシンプルで美しく、機能性を備えていてデザインしやすいという理由があるように思いますが、そもそも「広告」というものに関する価値観もちがうのではないかな、と思っています。「どう伝えるか」ということへのアプローチがちがうといいますか。
      フランスにいた頃は、ポスターを張り替える仕事をしているひとをよく見かけました。みな決まって怠そうに働いていましたが、仕上がりは悪くないようですね(笑)

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