記録 ( April, 2015 )

記録 ( April, 2015 )4月。フランス、ブルキナファソと経て、ひさしぶりに日本に帰ってきた。また東京というこの地でふたたび日常を取り戻さなければいけない。なんだかすこし憂鬱な気分が混ざりつつ、それをもみ消そうかとするように芸術作品に触れたりする。阪神タイガースの試合を観戦するほうが大抵の場合たのしいのだが、いかんせん阪神は不調なのでにっちもさっちもいかない。いつ飽きるか不明だけれど(もしかするとこの一回きりかもしれないが)、飽きるまでは毎月ふれた作品を記録してみようかと思う。Tumblrでは2013年9月から記録をつけ続けているのだが、蓄積されたデータを見返すだけでハッピーになれる。ぼくはわりかしこういうことに充足感を覚える小さな人間なので。いちおう、それぞれに脱力して簡単なコメントを添えたい。脱力して。

映画

▶︎ 新作(劇場)
ジョン・カーニー『はじまりのうた』/ モルテン・ティルドゥム『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』/ ジョン・ファヴロー『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』/ ベネット・ミラー『フォックスキャッチャー』 / ポール・トマス・アンダーソン『インヒアレント・バイス』/グザヴィエ・ドラン『MOMMY/マミー』
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▶︎ 旧作(劇場)
豊田利晃『空中庭園』/ 吉田大八『紙の月』/マイケル・チミノ『天国の門』『ディア・ハンター』/ギヨーム・ブラック『遭難者』『女っ気なし』『やさしい人』/エドワード・ヤン『恐怖分子』/ ロマン・ポランスキー『毛皮のヴィーナス』『チャイナタウン』
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▶︎ 旧作(DVD)
Hyeong-Cheol Kang『サニー 永遠の仲間たち』/ ビリー・ワイルダー『サンセット大通り』/ジャコ・ヴァン・ドルメル『トド・ザ・ヒーロー』/井口奈己『ニシノユキヒコの恋と冒険』/山崎貴『寄生獣 PART1』/ ヴィム・ヴェンダース『ベルリン 天使の詩』

日本は映画が高い、高すぎる!せめて1本1000円くらいで観れたらよいのだけど。辟易しながらも観たい映画には毎度財布の紐を緩めることとなった。やれやれ。新作映画のうち、今月の一本を選ぶとしたら『はじまりのうた』だろうか。ニューヨークのストリートで奏でられる音楽たちの素晴らしさよ。とりわけ『イミテーション・ゲーム』にも出ていたキーラ・ナイトレイがよい。庶民的な役もわりとハマっているし、隠しきれないブリティッシュ・アクセントが何よりかわいい。期待していたPTA『インヒアレント・ヴァイス』やドラン『MOMMY』がいまいちピンと来ず。

旧作でいえば、早稲田松竹のマイケル・チミノ『天国の門』『ディア・ハンター』オールナイトはもうほんとうに素晴らしかった。どちらも3時間越えの大作だが、けっきょく一睡もしないで早朝そばをすする。『天国の門』については、かねがね感想を書きとどめておきたかったのだが愛が強すぎて書き出しから悩みあぐね、しまいには記憶が薄れかかってしまっている有様。やっぱりそのときそのときに書き残しておかないと。同じことはギヨーム・ブラック3本立てにもいえる。エリック・ロメールと並んでフランス映画では圧倒的に好きかもしれないとすら思った。ぜひとも作品を追いかけていきたいし、『女っ気なし』なんかは何度も見返したい傑作だった。ポランスキー『毛皮のヴィーナス』『チャイナタウン』を松竹にて再見。もはやいうことはない、彼への敬愛はこれから揺らぐことはないだろう。

▶︎ 小説
ミシェル・ウェルベック『Soumission』/ 保坂和志『プレーンソング』/ フランツ・カフカ『審判』/ コンラッド『闇の奥』 /チヌア・アチェベ『崩れゆく絆』/ アンナ・カヴァン『氷』

▶︎ 評論
竹田青嗣『現象学入門』/ 内田樹『日本の反知性主義』

今月の一冊を選ぶとしたら、フランスで1月に発売されあらゆる意味で歴史的な作品となったミシェル・ウェルベックの新作『Soumission』、もしくはアンナ・カヴァン『氷』だろうか。カヴァン作品が分類されることもあるらしい「スリップストリーム小説」というカテゴリをはじめて知った。一種の幻想文学もしくは非リアリスティックな文学のことを広く指すらしい。たぶん好きなカテゴリなので『氷』のまえがきで紹介されていた名を中心に開拓してゆきたい。

コンラッドから、コンラッドを痛烈に批判するチヌア・アチェベという流れを意識して続けて読んでみた。どちらもいまいちピンとこず。『崩れゆく絆』のマッチョな主人公は、どうにも読んでいて疲れる。とりあえず、邦訳の存在するアフリカ文学は片っ端から読んでいきたいという所存。とりあえず積ん読の『やし酒飲み』や『アラーの神にいわれはない』あたりから手をつけるかな。

しかし、本を読むというのはなかなか時間を要する営みでして、思ったほどさくさくと読んでいけないのが歯がゆい。本棚が膨張する一方である。かといって飛ばすように読んでいっても何の面白みもないことはわかっているのだけれど。フランス語で原著に当たるのも、すくなくとも一月に一冊から二冊はコンスタントに続けてゆきたいと思う…。

展覧会

『ルネ・マグリット展』(新国立美術館)/『デザインをめぐる問い』 (世田谷IID学校)

いまいちシュールレアリズムに馴染めない。そのことにかんしてはブログにちらりと書いたのでいいとして、5年前くらいに同じく新国立美術館で開催されていたシュールレアリズム展(たしかこの日にはじめて新国立美術館に足を運んだのを思い出す)や、パリのポンピドゥー・センター、あるいはベルギーのブリュッセル郊外にあるシャルルロアという何もない街(どうやらおさなきルネ・マグリット少年が一時期住んでいたらしいのだが)の美術館などで観たのとまったく同じ作品が、場所や時間を越えてふたたび眼前に対峙することになるのはしかし不思議な気分である。

トークショー
『ヘンタイ美術館 : 第四回 マネ、モネ、ドガ』
山田五郎氏が開催していた

ドラマ、漫画など
『ウォーキング・デッド』 Season 3 – 5 / 『NARUTO – ナルト』
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僕の4月は『ウォーキング・デッド』によって成り立っていたといっても過言ではない。過言か。しかしウォーキング・デッドはたまらなく面白かった。一気にシーズン5まで追いかけた。このドラマの面白さにかんしては、今秋アメリカで公開されるシーズン6を首を長くして待ちつつ、いつかきちんと言葉を費やしたい。そしてひとりでも多くのひとに観て欲しい!ゾンビものだと侮るなかれ。頭のいいひとたちが本気で金をかけてなにかをつくるとこんな素晴らしいものができるのか、と感動する。それから、『NARUTO』は、僕は少年期からいままでジャンプ的なカルチャーをほとんど享受してこず、それがもはやコンプレックスとなりつつあるので、このへんで大作から読もうかなという次第(しかし59巻までいってそこから先にはいっこうに食指が伸びず)。漫画にはどうも苦手意識がある。克服したい。


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