映画

『マイ・インターン』――交差する男性性/女性性

『マイ・インターン』――交差する男性性/女性性

『マイ・インターン』を観た。いまも熱狂的な人気を誇っている『プラダを着た悪魔』の実質的な続編といわれているためか、映画館の客の入りはものすごかった。レディース・デーだったからかもしれないが、女性客かカップルばかり。あの環境のなか男性だけで観るのはなかなか勇気のいることだろうと思うので、全国の男性諸君はだれか女性をさそっていってください。映画としても、男性性と女性性についての映画であることは明白であり、また、女性は社会のなかでいかにして仕事と家庭を両立できるのか? という2015年においてかなりホットなテーマを扱っている。そのミューズとしてのアン・ハサウェイは、ファッションのベンチャーの社長とし…

『ザ・トライブ』〈視る〉こと、〈触れる〉ことーー辺境に立たされた者たち

『ザ・トライブ』〈視る〉こと、〈触れる〉ことーー辺境に立たされた者たち

『ザ・トライブ』を観た。去年のカンヌ映画祭の批評家週間に新人監督が撮ったすさまじいウクライナ映画があるらしいという評判は聞きつけて以来気になっていたので(去年はカンヌに遊びにいっていたのだが日程が合わず断念した)、一年越しにようやく観れたというところ。ちなみに、ユーロスペースのトイレで吉田大八が隣で小便していた。トイレで小便していることまでだれかのブログに書かれてしまうというのは、有名人は気の毒だなあと思う。本人の名誉のため付けくわえると、『紙の月』は余り好きではなかったけれどわたしはいちファンです。応援しています。 閑話休題。 「この映画の言語は〈手話〉である。いかなる吹き替えも字幕も存在し…

世界に対して、可能性は常にひらかれている − 三宅唱『無言日記/201466』

世界に対して、可能性は常にひらかれている − 三宅唱『無言日記/201466』

三宅唱が2014年、1年かけて日々iPhoneのカメラで彼の日常を撮り収めて66分にまとめた映像作品『無言日記/201466』をユーロライブで観た。上映後には、三宅唱と菊地凛子のトークショーが併催。ちなみに、ぼくは2年ほど前に三宅唱『Playback』を観てとたんに恋に落ちたのだが、もうじきHIPHOPが生まれる瞬間を収めた新作である『THE COCKPIT ザ・コクピット』が公開される。どうやらその公開に合わせたイベントだったらしい(『THE COCKPIT』はほんとうに楽しみだ!)。 ♢ へんな話だが、『無言日記/201466』を観て、わたしははじめてよくわかっていなかった量子力学の可能性…

MY 10 BEST MOVIES OF 2014

MY 10 BEST MOVIES OF 2014

かつては年間ベストなんてものを悠々と公開するなぞそんな恥ずかしいことはないと思っていたが、いざやってみると楽しくて仕方がなかった。どういう観点で順位をつけるかによって結果がまったく変ってくるので暫くどうするべきか困っていたのだが、「映画体験」としての価値ということを軸に考えておいてみた。なぜお金を払ってまで映画館へと足を運んで、スクリーンで映画を観るのか。その問いに答えてくれるような映画を選んだつもりである。というわけで、2014年にスクリーンで鑑賞した新作映画ベスト10と旧作映画ベスト5。 なお、9月末から滞在しているブルキナファソという小国は世界の映画産業とほとんど切り離されているために、…

(一般人のための)カンヌ映画祭サバイバルマニュアル

(一般人のための)カンヌ映画祭サバイバルマニュアル

67回カンヌ国際映画祭、一般人だけれどフラリと行ってきた。せっかくカンヌのちかくに住んでいるので、世界一の映画祭に行かないわけがないと思っていたものの、直前まであまり調べずにいたところ「果たして(お金のない)一般人でも参加可能なのかしら」「招待されるようなニンゲンじゃないとまったく映画見れないんじゃないの」という疑問も渦巻く次第。というか、そう思っているひとがフランス人でも非常に多い。 結論から言えば、”Oui et Non” (Yes and No)。詳しいカンヌ映画祭の説明に関しては、丁寧に説明している記事(『カンヌ国際映画祭開幕。「カンヌ」とはいったい何なのか』)…

『猿の惑星 : 新世紀(ライジング)』、僕たちは猿の世界にかくも感動できる

『猿の惑星 : 新世紀(ライジング)』、僕たちは猿の世界にかくも感動できる

劇場を出て早々に「いやあ、オモシロかった!」となんのためらいもなく興奮の入り交じった第一声をあげた。誰かと観ていた映画が終わって、すぐさまその感想を相手に伝えることに一瞬躊躇ってしまうことは多い。なぜなら「一言目」はそのあとの話の方向性を決定付けてしまうからである。だれかと映画を観に行くときは、エンドロールが流れている間に映画の1シーン1シーンを反芻しながら、「さてなんて相手に切り出そうか」と考えるのが常だ。会話さえうまく始まってくれれば、あとはなんとでもなるけれど、一言目には注意を払わないといけない。 この『猿の惑星: 新世紀』に関しては、臆面なく僕から「一言目」を伝えられたし、すぐさまこの…

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