19歳、風呂場でのぼせるまで。

19歳になった日の夜、風呂に入りながら、複雑な感情がゆらゆらと自分の中を徘徊していた。 19歳になってしまったらしい。10代最後の1年間が始まる。もう始まった。 もうこれでモラトリアム期間は終わってしまう。これで終わらせたくないし、このままでは終われない。 モラトリアムというのは素敵な言葉だと思う。「人間の成長の中で社会的責任を猶予される期間」。たぶん誰も社会的責任なんて負いたくないんだ。「責任」なんて一丁前の言葉で、だれしも結局は縛られている。義務も責任も結局は同じ言葉だ。社会に出ることとはそういうこと。窮屈な場所に体を押し込めること。そんなものが猶予される期間。最も身の軽い期間。ひとは老い…

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