トルコで僕は羊飼いになった – 前篇 -(トルコ旅2012その4)
話はすこし遡る。僕は何の計画もないまま先輩に呼び出されてカッパドキアにきて、これから残りの旅をどうしようかと思案していた。何となくインターネットでトルコについて調べていて、いまとなってはどこのサイトかも憶えていないのだけれど、偶然大自然のなかでたくさんの羊が写っている写真を目にする。その1枚の写真で僕はふと、いつからか抱いていた憧れを思い出した。「アルケミスト」をかつて読んだためか、あるいはモンゴルの放牧とゲルの生活を知って本当のノマドワークというものがやりたかったのか、もとの興味を持った理由はわからない。けれど、『羊飼い』という職を一度は経験してみたいと心のどこかで思っていた。そんなどこかに…