ほんとうは、終わってほしい(押井守『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』)

ほんとうは、終わってほしい(押井守『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』)

タクシードライバーは、突如として関西弁で語り始める。 「なまじ客観的な時間やら空間やら考えるさかい、ややこしいことになるんちゃいまっかあ?時間なんちゅうもんは、あんた、人間の自分の意識の産物や思うたらええのや。世界中に人間が一人もおらなんだら、時計やカレンダーに何の意味があるっちゅうねん。過去から未来へきちんと行儀よお流れとる時間なんて、初めからないのんちゃいまっかいなあ、お客さん。人間それ自体がええ加減なもんなんやから、時間がええ加減なんも当たり前や。きっちりしとったらそれこそ異常でっせ。確かなんは、こうして流れとる現在だけ。そう思たらええのんちゃいまっかあ」 傑作と名高い『うる星やつら2 …

トルコで僕は羊飼いになった – 中篇 – (トルコ旅2012その5)

トルコで僕は羊飼いになった – 中篇 – (トルコ旅2012その5)

なにかに導かれるように偶然(『トルコで僕は羊飼いになった – 前篇 -(トルコ旅2012その4)』)が重なって辿り着いたのは、ゲルだった。予想以上にゲルだった。これ教科書とかで見たことあるやつだ。カイセリから南に100キロに位置する田舎町、Yahyaliからまたさらになにもない丘の間を走る道路にバイクで数十分走らせ辿り着いた小さな集落。写真に映っているのがほぼ全域で、もちろん、地名なんてものはないし、移動式住居のゲルよろしくそのときどきで住む場所を変えているのかもしれない。何てったって土地ならば四方に山ほどある。住所不定羊飼い。そこでは5つくらいの家族があって、老若男女20人程度暮らしているよ…

順当に大学2年生になりました

もうそれ以外言いようがないってくらいに、なんだか順当に大学2年生になってしまった。順当っていうのはまさにそのままの意味合で、大学に入学し1年という時間経過の末に、1年生という肩書きを失い、2年生になっていたとか何とか。振り返るべきものごとはたくさんあるような気もするし、べつにそんなに振り返る必要なんてないんじゃないとも思う。あえて一言述べるとするならば、1年前の自分、相当ひねくれていたイヤな奴だったなあというくらい。『どうやらもう大学生になってしまったらしい』、この1年前の記事(すくなくともその当時の等身大であったことはまちがいない)をある程度俯瞰的に見れていたりするのでそれは成長と呼べるので…

料理すごい楽しい(自炊とクックパッドの話)

料理すごい楽しい(二回言う)。 簡単に言うと、2月中旬から自動車免許合宿で山形の雪国のなかで、アパートメントに一人暮らしで自炊をしていた。修行あるいはそれに類する何かのために。だからまさしく今回のコンセプトは「ひとりで生きる」。たぶん自動車のはなしはもしかしたら他で書くかもしれないけど、とにかく僕はひたすら沈黙を貫いて、ソーシャルメディアなんかの社会の不特定多数と繋がるツールをも遮断して、周囲が新しい友達を雪だるま式に増やしていくなかで自分のなかに閉じこもろうとしていた。それはそれですごくよかった。そしてそのなかのよかったことのひとつが件の料理。すごい楽しい(三回目)。 実家で家族と暮らしてい…

トルコで僕は羊飼いになった – 前篇 -(トルコ旅2012その4)

トルコで僕は羊飼いになった – 前篇 -(トルコ旅2012その4)

話はすこし遡る。僕は何の計画もないまま先輩に呼び出されてカッパドキアにきて、これから残りの旅をどうしようかと思案していた。何となくインターネットでトルコについて調べていて、いまとなってはどこのサイトかも憶えていないのだけれど、偶然大自然のなかでたくさんの羊が写っている写真を目にする。その1枚の写真で僕はふと、いつからか抱いていた憧れを思い出した。「アルケミスト」をかつて読んだためか、あるいはモンゴルの放牧とゲルの生活を知って本当のノマドワークというものがやりたかったのか、もとの興味を持った理由はわからない。けれど、『羊飼い』という職を一度は経験してみたいと心のどこかで思っていた。そんなどこかに…

絶景のなかで意気揚々とバイクを走らして(トルコ旅2012その3)

絶景のなかで意気揚々とバイクを走らして(トルコ旅2012その3)

パスポートが見つかり、意気揚々と懲りずにバイクを借りた僕は、時速100キロでトルコの大地を疾走する。風を全身に受ける。眼前にはカッパドキアの果てしない光景が広がる。気分は高揚する。 ギョレメから北に約10km、あっという間にアヴァノスという隣町へ辿り着く、丘らしきものがあったので上へ上へと登りつめて、後ろを振り返る。 カラカラと晴れた空の下にカッパドキアの大地が広がっている、思わず両手を空に突き上げて背伸びをしたくなるような、そんな素晴らしい日。まさしく意気揚々と形容するのにふさわしい面持ちで僕は景色に対峙する。

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