フランツ・カフカ『審判』、あるいは夢のなかで突き立てられるナイフ
  • 2015/04/12

フランツ・カフカ『審判』、あるいは夢のなかで突き立てられるナイフ

ある朝、主人公のヨーゼフ・Kがとつぜん逮捕されるところから物語がはじまる。なんだって冒頭の文章がこの通りなのだ。 “だれかがヨーゼフ・Kを中傷したにちがいなかった。悪いことはなにもしなかったにもかかわらず、ある朝彼は逮捕されたからである。” 朝眼が醒めてベッドでまどろんでいると、突然見知らぬ男たちが彼の自宅にずかずかと入ってくる。横柄な態度をとりながら、「きみは逮捕された」と高らかに宣告してみせるが、ヨーゼフ・Kがなぜ逮捕されたのかと問い詰めても適当にはぐらかされ、やがて「なぜかは知らないが、ただわたしはきみを逮捕するという上からの命令に従っているだけだ」と白状する。比…

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