「ニキ・ド・サンファル展」―― わたしたちの中に眠る〈連続性〉を祝祭するべく踊る女たち

「ニキ・ド・サンファル展」―― わたしたちの中に眠る〈連続性〉を祝祭するべく踊る女たち

ニキ・ド・サンファル展に行った。友人が熱烈にお勧めしていたので、会期ギリギリに新国立美術館に滑り込む。会期中最後の日曜日なのもあってか、けっこうな混雑を見せている。老若男女問わず、というかむしろ若いひとたちが比較的多かったのが印象的だった。教養が足りないので、ニキ・ド・サンファルというアーティストの存在について、僕はこの展覧会について知る以前は認識していなかったのだが(のちほど会場で「20世紀においてアンディ・ウォーホルと比肩するくらい有名な芸術家」という文章を見て、自分の浅学を恥じたのはいうまでもない)、なぜかふと六本木駅から向かっている途中に、パリのポンピドゥー・センターの近くの広場(スト…

非匿名的な死を前にして立ち竦むわずかばかりの時間について

非匿名的な死を前にして立ち竦むわずかばかりの時間について

彼女とはとりたてて親しい間柄というわけではまったくなかった。彼女の存在が僕の生にたいして、何らかの特別な意味を与えてきたことは、これまで一度もなかったように思う。だが皮肉なことに、突如として訪れ、思わぬかたちで僕のもとに通達された彼女の〈死〉が―――ほかの十三の死でもなく、あるいは匿名的な死でもなく―――僕に向かって、何かを呈示せんと主張しているように思えてならないのだ。僕は彼女を知っていた。彼女も僕を知っていた。たったその程度の脆弱な関係性が欠けてしまっただけなのに、彼女の死を前にして、僕は戦慄させられ、動揺させられてしまっている。 それはおそらく彼女の死がある象徴的な語られ方をしているから…

「英国の夢 ラファエル前派展」――饒舌な物語、リアルのなかのロマンス

「英国の夢 ラファエル前派展」――饒舌な物語、リアルのなかのロマンス

「リバプール国立美術館所蔵――英国の夢 ラファエル前派展」にいってきました。Bunkamura ザ・ミュージアムにて。映画や演劇を観にBunkamuraに足を踏み入れるたびに思うのだけれど、この場所にいるひとたちは、渋谷の路上でのたまう烏合の衆の大半とは、明らかに異なる階層に属している。Bunkamuraに集う上品な身なりをした妙齢の紳士淑女が、すぐ隣にあるドン・キホーテのスウェットとクロックススタイルのヤンキーと同種の生きものである、という紛れもない事実に、どこか反発を覚えている自分がいることを告白しなければらならない。   さておき、「ラファエル前派展」。ラファエル前派の作品をま…

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