ブルキナ日記 #01  |  というかなんで、ブルキナファソなんかに

ブルキナ日記 #01 | というかなんで、ブルキナファソなんかに

「ブルキナファソに留学に行く」と伝えたら、おもっていたより多くの人が「どこそれ?」と怪訝な顔をする。西アフリカ、コートジボワールとかガーナの上、マリの下だよ、などと簡単な地理を説明すると「それっていま流行ってるエボラ熱とか危ないんじゃないの」というもっともな指摘が飛んでくる。僕もすこし深刻な顔をしてみせながら、ブルキナファソにはまだ来ていないし、国境で接している周辺国にもまだ感染者はいない。もちろん日本にいるよりリスキーだけど、ウイルス自体は案外弱くてちゃんと対策をすれば…と長々とした講釈もどきを始めようとすると、それを遮り「というかなんで、ブルキナファソなんかに」と核心に迫ってくる質問にたど…

「未だ想像もできないものへの憧憬」、だれかのことばにドキリとすること
  • 2014/10/11

「未だ想像もできないものへの憧憬」、だれかのことばにドキリとすること

あなたをドキリとさせることばはどこからでもやってくる。友人が放ったさりげないひと言かもしれないし、ツイッターのタイムラインの海に漂っているひとつのツイートかもしれない。もしくは街角に貼られた広告のキャッチコピーかもしれないし、ラジオで流れてきた名前も知らないミュージシャンが歌う詞の一部かもしれない。そういうことばたちはいつも突然勝手にあなたの前に現れて、なんの許可もなしに頭の中を占拠してしまう。そのなかにはあるいは刺のようなものが潜んでいて、あなたのことをじわりと傷つけてゆくかもしれない。けれどもいくら取り除こうとしても、それはしばらくそこに居座って動こうとしないのだ。ただ、ドキリとさせられる…

『猿の惑星 : 新世紀(ライジング)』、僕たちは猿の世界にかくも感動できる

『猿の惑星 : 新世紀(ライジング)』、僕たちは猿の世界にかくも感動できる

劇場を出て早々に「いやあ、オモシロかった!」となんのためらいもなく興奮の入り交じった第一声をあげた。誰かと観ていた映画が終わって、すぐさまその感想を相手に伝えることに一瞬躊躇ってしまうことは多い。なぜなら「一言目」はそのあとの話の方向性を決定付けてしまうからである。だれかと映画を観に行くときは、エンドロールが流れている間に映画の1シーン1シーンを反芻しながら、「さてなんて相手に切り出そうか」と考えるのが常だ。会話さえうまく始まってくれれば、あとはなんとでもなるけれど、一言目には注意を払わないといけない。 この『猿の惑星: 新世紀』に関しては、臆面なく僕から「一言目」を伝えられたし、すぐさまこの…

Rodrigo Amarante、リスボンですれ違った「異邦人」たち

Rodrigo Amarante、リスボンですれ違った「異邦人」たち

彼の名前を知ったのは、ほんの数ヶ月前のことだった。ラテンアメリカ、とりわけブラジル音楽に興味を持ち始めて、その流れでいろいろ聴いた。僕はこれまでどこか異国の音楽を能動的かつ体系的に掘り下げるという行為をほとんどしたことがなく、僅かばかりの音楽的教養はすべて友人などの受け売りだったので、こうして自発的にひとつの土地の音楽に関するあれこれをネットで読んだり人に訊いたりしながら掘っていくのはわりと新鮮な体験ですごく楽しいんなっていまさらながらに気付いた。 なによりもブラジル音楽がすごくよかったのが大きい。もともとボサノヴァが好きで、アントニオ・カルロス・ジョビンなんかを昔からけっこう聴いていたことも…

21歳、異国で泥にまみれながら

21歳、異国で泥にまみれながら

腰を上げて、汗を拭い、辺りを見渡そうとするとふいに立ち眩みに襲われた。すこしして取り戻した視界の先には、ただただ広大な土地があって、数百数千と残っているキャベツの芽がケースに積まれている。僕はいま、異国の地、フランスのプロヴァンスでひとり、だだっ広い畑でひたすらにキャベツの芽を植えている。終わりの見えない単純作業に気が遠くなりながら、泥にまみれた腕で汗を拭う。 立ち上がってぼうっとしているとさなか、ふいに自身の身体を自覚した。燦々と照りつける太陽の日差しを受け、地中海からやってきただろう南風に吹かれて、農作業で泥だらけの自分自身の身体が、ここにしっかりとある。奇妙な感覚だ。左手をすこし挙げて、…

ロンドンまで、The High Llamasを聴きに

ロンドンまで、The High Llamasを聴きに

Northern Lineに乗り込んで、Angelという駅で降りる。太陽はすでに傾いていて、道沿いに律儀に並ぶ煉瓦造りの建築群を控えめに照らしている。5月のロンドンは、まだ寒い。もうすこし暖かいと思っていたんだけどな、と内心呟きつつ上着を着込んで、高揚した気持ちを抑えきれず、いつもより早足で目的地へ向った。The Islington、The High Llamasの音楽を聴きに。 ロンドンに赴くことを決めたのは、まずはThe High Llamasのライブがひらかれると知ったからだ。数年前に彼らの存在を知って以来、ここ数年でいちばん聴き込んだアーティストだと思う。The Beach Boysも…

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